大腸癌取り扱い規約による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 09:14 UTC 版)
「大腸癌」の記事における「大腸癌取り扱い規約による分類」の解説
まずは肉眼的分類として以下がある。 0型 表在型(詳しくは「大腸ポリープ」参照) 病変の肉眼的形態が軽度な隆起や陥凹を示すに過ぎないもの。 1型 腫瘤型 明らかに隆起した形態を示し、周囲粘膜との境界が明瞭なもの。 2型 潰瘍限局型 潰瘍を形成し、潰瘍をとりまく胃壁が肥厚し周堤を形成し、周堤と周囲粘膜との境界が比較的明瞭なもの。 3型 腫瘍浸潤型 潰瘍を形成し、腫瘍をとりまく胃壁が肥厚し周堤を形成するが、周堤と周囲粘膜との境界が不明瞭なもの。 4型 びまん浸潤型 著明な潰瘍形成も周堤もなく、胃壁の肥厚・硬化を特徴とし、病巣と周囲粘膜との境界が不明瞭なもの。 5型 分類不能 上記分類に当てはまらないもの。 という分類がある。これは胃癌の分類と全く同じである。大腸癌取り扱い規約によると壁深達度(いわゆるT)がTNM分類よりはるかに細かくなる。 漿膜を有する部位の壁深達度 m:癌が粘膜内にとどまり、粘膜下層に及んでいない。 sm:癌が粘膜下層にとどまり、固有筋層に及んでいない。 mp:癌が固有筋層にとどまり、これをこえていない。 ss:癌が固有筋層を超えているが漿膜表面に出ていない。 se:癌が漿膜表面に露出している。 si:癌が直接他臓器に浸潤している。 漿膜を有しない部位の壁深達度 m:癌が粘膜内にとどまり、粘膜下層に及んでいない。 sm:癌が粘膜下層にとどまり、固有筋層に及んでいない。 mp:癌が固有筋層にとどまり、これをこえていない。 A1:癌が固有筋層を超えているが、さらに深くは浸潤していない。 A2:癌が筋層を越えてさらに深く浸潤しているが他臓器に浸潤していない。 Ai:癌が直接他臓器に浸潤している。 リンパ節転移 n(-):リンパ節転移を認めない。 n1(-):第1群リンパ節に転移を認めない。 n1(+):第1群リンパ節に転移を認める。 n2(-):第2群リンパ節に転移を認めない。 n2(+):第2群リンパ節に転移を認める。 n3(-):第3群リンパ節に転移を認めない。 n3(+):第3群リンパ節に転移を認める。 n4(-):第4群リンパ節に転移を認めない。 n4(+):第4群リンパ節に転移を認める。 腹膜播種転移 P0:播種性転移を認めない。 P1:近接腹膜のみ播種性転移を認める(合併切除可能なもの)。 P2:遠隔腹膜に少数の転移を認めるもの。 P3:遠隔腹膜に多数の転移を認めるもの。 肝転移 H0:肝転移を認めない。 H1:一葉のみに肝転移を認める。 H2:両葉に少数散在性(4個以内)に転移を認める。 H3:両葉にわたり多数散在性(5個以上)に転移を認める。 肝以外の遠隔他臓器転移 M(-):遠隔他臓器転移が認められないもの。 M(+):遠隔他臓器転移が認められるもの。
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