大深度地熱温泉の由来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/28 07:32 UTC 版)
「大深度地熱温泉」の記事における「大深度地熱温泉の由来」の解説
大深度地熱温泉の特筆事項としては、「非火山性温泉」、「モール泉」が挙げられる。前述した別府や湯布院といった温泉は火山熱によって熱せられた「火山性温泉」であるが、大分市で湧出する大深度地熱温泉は、水成の堆積層や堆積岩が厚く発達した大分川・大野川下流部の深層、地下600~800m、所によっては1,000mの地下深くに貯留する深層熱水に由来する。新生代第三紀から第四紀の頃の大分平野周辺は、大分市内から由布市庄内町にかけて淡水湖になったり、火砕流の噴出が起こったり、海面上昇により別府湾の内海になったりする等、激しい大地の営みが繰り広げられ、これが温泉水の貯留層の形成に影響を与えていると推定される。温泉の水源としては、古来の海水もしくは陸水(淡水)に由来する。 この古生代に堆積した植物が腐食して熱を発し、水を熱しつつ成分が溶け込むことでモール泉となる。この時、二酸化炭素、メタンなどの炭化水素を生み出して天然ガスを生成するほか、フミン酸などの腐食酸を生成するため、熱水はガスを含んだ淡褐色~黒色の温泉となる。 地中の温度は、100m深くなるごとに5-6.5℃程度上昇する。大分の年平均気温はおよそ16℃であるため、700-800mも掘削すれば、50℃前後の温かい地下水が得られる。地圧と地熱の要素によって、大分平野の地底深く眠っていた水は温泉となり、それが大深度ボーリング作業によって組み上げられ、大深度地熱温泉として利用される。大深度地熱温泉がモール泉であることの一般への説明として、「あと数万年経てば(温泉水が)石油になっていたかもしれない」と表現されることもある。
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