大学院生の自殺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 15:49 UTC 版)
「イライアス・コーリー」の記事における「大学院生の自殺」の解説
ジェイソン・アルトム (Jason Altom) という名のハーバード大学博士課程の学生は、1998年、青酸カリを飲んで自殺した。彼は、コーリーの研究グループにおいて、2年間で2人目の自殺者だった。彼は遺書の中で、自らの命を絶つ理由の1つに「研究指導教官の罵倒」を挙げていた。アルトムのテーマは非常に複雑な天然物 (Aspidophytine)の合成で、その化合物の合成をやり遂げることに、研究生活が始まる前から非常に重いプレッシャーを感じていた。 アルトムの自殺は、博士課程の学生に与えられるプレッシャー、大学における孤立の問題、そして指導者と学生の間の軋轢(あつれき)の原因を浮き彫りにした。この事件により、多くの大学は、博士課程の学生に主指導教官に加え相談できる副査をつけることを強く主張するようになった。ハーバード大の化学科長になった ジェームズ・アンダーソン (James Anderson) は、「ジェイソンの死を教訓として、この学科が生徒の命を守るために果たすべき役割を検討しなければならない」と宣言した。アンダーソンはまた、学科が費用を持つことにより無料で受けられる、「内密でシームレスなカウンセリング」を用意することを学生に約束した。しかし、2004年現在、このサービスは打ち切られている。 コーリーは彼の遺書について、「理解できない。ジェイソンは激しい思い違いをしていたか、全く理性を失っていたに違いない」と述べている。コーリーはアルトムの能力について疑問を持ったことはない、と明言したという記録も残っている。 また、「ジェイソンの指導にはベストを尽くした。山岳ガイドが山登りする人をガイドするのと同じだ。全てにおいてベストを尽くした。後ろめたいことは何もない。ジェイソンのしたことは全て、我々の協力関係から外れたことだ。すれ違いは少しもなかった」と述べている。
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