多発性腫瘍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 13:22 UTC 版)
神経線維腫症1型(von Recklinghausen…フォン・レックリングハウゼン病) 17q11.2に存在するニューロフィブロミン遺伝子の異常による疾患で、常染色体優性遺伝の形式をとる。日本での頻度は3000-4000人に一人。 症状は、皮膚のカフェオレ斑(6個以上)、神経線維腫(神経細胞や神経を栄養する血管の腫瘍で、背中などの皮膚に近いところにできるために「こぶ」がたくさんできているようにみえる)、眼病変(虹彩小結節、視神経膠腫)、骨病変(脊柱側わん)など。 神経線維腫症2型 22q12.2に存在するシュワノミン遺伝子の異常が責任遺伝子として同定されている。4万人に一人と、1型よりもまれな病気だが、両側性の聴神経鞘腫のために難聴を生じる。 家族性大腸ポリポーシス 5q21に存在するAPC遺伝子の異常による疾患。常染色体優性遺伝である。大腸に100個以上の腺腫(ポリープ)ができる疾患であるが、このポリープが高率に癌化(大腸癌)することが最も大きな問題である。40歳過ぎまでに50%が、60歳までに90%程の患者が大腸癌に罹患するとされる。大腸癌の発生を防ぐためには、現在のところ大腸を全摘出する以外に方法がない。 遺伝性非ポリポーシス大腸癌 別名リンチ症候群とも。DNAミスマッチ修復酵素の変異による。大腸・直腸癌の家族内集積を契機に研究されたが、実際には多臓器に悪性腫瘍を発症する。
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