報道初日
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 03:03 UTC 版)
12日の夕刊は、毎日新聞のみならず各紙が、匿名ではあったがAの容疑を大々的に報じた。また、テレビとラジオも同じくこれを報道した。しかしこの段階では、朝日新聞が「アリバイが成立すれば完全に白ということになる。むしろ、その可能性の方が分があるという感じがする」との土田刑事部長の談話を載せ、サンケイ新聞は「クロシロについては五分五分だ」との武藤三男捜査一課長の談話を載せるなど、中立的なニュアンスとなっている。ところが毎日新聞は他社と論調を異にし、「ほぼ犯人に間違いない」との目撃者の証言を載せ、Aの勤務先について「犯人にとっては絶好の隠れ場所」と書くなど、クロの印象を鮮明にした報道姿勢をとった。 しかし、調べによっても未だ成立しないアリバイに、警察とマスメディアはA犯人説へと傾斜してゆく。同日夜に府中署で開かれた記者会見では、「ホシ以上のゲロをしたよ」と武藤が上機嫌でコメントし、Aの犯人性を疑う発言をしたジャーナリストが、他の記者らに取り囲まれて会見場から追い出されるまでに至った。サンケイ新聞の現場キャップであった細谷洋一によれば、現場担当の記者たちはAをシロと見ていたが、警視庁記者クラブ担当はクロに近い感触を得ており、現場記者は板挟みの状況にあったという。
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