堆積学的記録
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 03:56 UTC 版)
森林伐採や道路造成などの活動が、地球表面の至る所で堆積物の流量を高めていると考えられている。人類が動かす堆積物や岩石は、河川・氷河・風雨が動かす量の3倍以上となっている。しかし、河川におけるダム建設では、土砂堆積速度がどの場所でも必ずしも増加するとは限らない。 たとえば、世界中にある三角州の多くはダムによって土砂堆積物が不足しており、成長するどころか海面上昇に追いつかずに沈下しつつある。 人類以前に発生したことのない自然プロセスの一例として、カルテマイト(英語版)層の堆積がある。カルテマイトとは、コンクリート、石灰、モルタル、または洞窟環境外にあるその他の石灰質素材から派生した二次堆積物である。カルテマイトは人工構造物(鉱山やトンネルを含む)の上または下で成長し、鍾乳石、石筍、流華石といった洞窟生成物に似た形状になる。 プラスティックの生産が始まって以来、その破片であるマイクロプラスチックが堆積するようになった。マイクロプラスチックは海底から高山まで拡散しており、数百年間にわたって残ると推定される。堆積速度は1940年代から15年ごとに倍増しており、海底で堆積したマイクロプラスチックの2/3は洗濯などで合成繊維の衣服から抜けた繊維だった。マイクロファイバーはプランクトンの活動の妨げになるほか、誤って食べる原因にもなる。
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