トネ・ミルンとは? わかりやすく解説

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トネ・ミルン

(堀川トネ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/28 17:20 UTC 版)

トネ・ミルン[* 2]: Tone Milne1860年12月26日万延元年11月15日[6] - 1925年大正14年〉1月30日[7])は、イギリスの鉱山技師・地震学者であるジョン・ミルンの妻。旧姓は堀川 トネ(ほりかわ トネ)[* 1]日本人の身でありながら、当時(明治時代)の日本としては珍しい国際結婚でミルンの妻となった。ミルンの東京滞在時は、日本語の文献の翻訳、日本の歴史の調査などで、ミルンの地震学研究に助力した[8][9]。結婚するまでは周囲からいわれのない差別を受け、ミルンとの出逢いの後も、結婚に至るまで様々な障害に阻まれ、永住を覚悟で日本を離れるなど、波乱万丈な生涯で知られている[6]


注釈

  1. ^ a b c d 日本では1871年(明治4年)5月に戸籍法が制定され[2]、身分に関係なく姓を持つことが許可されたが、トネの父の堀川乗経は「平民の姓は不要」と主張しており[3]、トネを含む一家が堀川姓を名乗ったのは、1872年(明治5年)の開拓使仮学校女学校入学より数年後である[4]
  2. ^ 名は「利根子」と表記した資料もある[5]
  3. ^ 新たに造られた疎水は願乗寺川、堀川と呼ばれていた[11]。函館の郷土史家・木村裕俊によれば「堀川乗経」は明治に本山である西本願寺から賜った名前であり、京都の「堀川」に所縁がある[12]
  4. ^ この時期に欧米人男性と結婚した著名な日本人女性の例では、クーデンホーフ光子の結婚が1893年、小泉節子小泉八雲の妻)は法的な結婚が1896年(事実婚としては1891年)である。
  5. ^ 大正8年との説もある[6]

出典

  1. ^ 宇佐美訳 1982, p. 193.
  2. ^ 藤原明久他 編『日本現代法史論 近代から現代へ』山中永之佑監修、法律文化社、2010年3月、202頁。ISBN 978-4-589-03239-3 
  3. ^ a b 森本 1981, pp. 146–153
  4. ^ a b c d e f STVラジオ 2009, pp. 220–221
  5. ^ a b 岡田 1926, p. 18
  6. ^ a b c d e f g h 堀川 トネ 函館ゆかりの人物伝 - 函館市文化・スポーツ振興財団”. 函館ゆかりの人物伝. 函館市文化・スポーツ振興財団. 2020年9月24日閲覧。
  7. ^ a b c 森本 1981, pp. 308–309
  8. ^ a b c 「「近代地震学の父」に祈り ミルン没後100年 親族、函館で墓参」『読売新聞読売新聞社、2013年10月9日、東京朝刊、34面。
  9. ^ a b c d e STVラジオ 2009, pp. 227–229
  10. ^ a b 須藤隆仙「歴史 どうなん人物散歩 堀川トネ 地震学者ミルンの妻 会った函館で夫婦眠る」『北海道新聞北海道新聞社、2000年1月29日、館D夕刊、18面。
  11. ^ 願乗寺川の開削」『函館市史』 通説編第1巻、647-648頁https://adeac.jp/hakodate-city/text-list/d100010/ht033320 
  12. ^ 木村裕俊『願乗寺川物語』2015年、22頁。 
  13. ^ STVラジオ 2009, pp. 216–217.
  14. ^ a b STVラジオ 2009, pp. 218–219
  15. ^ 女学校の規定」『函館市史』 通説編第2巻、1270-1271頁https://adeac.jp/hakodate-city/text-list/d100020/ht016450 
  16. ^ 森本 1981, pp. 186–188.
  17. ^ a b 森本 1981, pp. 202–206
  18. ^ a b c STVラジオ 2009, pp. 222–223
  19. ^ 森本 1981, pp. 206–209.
  20. ^ 森本 1981, pp. 217–219.
  21. ^ a b 森本 1981, pp. 221–240
  22. ^ a b c STVラジオ 2009, pp. 224–225
  23. ^ a b c 森本 1981, pp. 241–248
  24. ^ a b c STVラジオ 2009, pp. 225–227
  25. ^ a b 森本 1981, pp. 306–307
  26. ^ STVラジオ 2009, pp. 229–230.
  27. ^ 酒井 1985, pp. 64–65.
  28. ^ 宇佐美訳 1982, p. 245.
  29. ^ 宇佐美訳 1982, p. 266.
  30. ^ a b 酒井 1985, pp. 66–67
  31. ^ a b c STVラジオ 2009, p. 230
  32. ^ a b 宇佐美訳 1982, pp. 278–279
  33. ^ 北海道新聞社 編『はこだて歴史散歩』北海道新聞社、1982年、135頁。ISBN 4-89363-315-5 
  34. ^ 「「函館女性の典型 トネ・ミルンでは」森本貞子さんが講演」『北海道新聞』、1994年10月29日、函A朝刊、20面。
  35. ^ 「読書 秋「女の海溝」が復刊 森本貞子さん 28日に記念講演」『北海道新聞』、1994年10月21日、夕函夕刊、11面。


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