地上砲撃への応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/30 08:58 UTC 版)
地上砲撃においての榴弾砲弾の作動原理は「砲弾内の炸薬爆発によって破裂した砲弾金属破片が周囲数十mに高速飛散して殺傷効果を及ぼす」というものだが、在来の着発信管(命中衝撃で炸薬に点火するもの)榴弾は砲弾断片が着弾地表面から半球状に飛散するため、塹壕(地面に掘った溝型陣地)内の敵兵に対する殺傷効果が激減するという欠点があった。 近接信管を装着した榴弾砲弾は高度50m程で地表面を検知して空中炸裂するために、塹壕内の敵兵にも頭上から断片を注いで高い殺傷効果を発揮する。これを曳火射撃という。この技術は化学兵器を充填した榴弾砲弾を最適高度で破裂させて化学兵器を散布するのにも応用される。 近接信管が秘密兵器だった時代には、敵に不発弾の信管を回収される危険があったため、対地攻撃での使用は避けられていた。初めて実戦で使用されたのは、バルジの戦いにおいてであった。ドイツ軍捕虜は新兵器を地磁気に反応する「磁気信管」と呼んでいた。 日本軍は終戦までアメリカ軍が近接信管を実用化したことには気が付かなかった。
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