在来列車との共用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 05:16 UTC 版)
原則としてTGV車両による旅客列車専用であり、客車列車や貨物列車の運行は考慮されていない。このため最急勾配35‰(パーミル)(1000分の35)が許容されており、丘陵地帯をトンネルなしで建設することが可能となり、建設費の圧縮を図っている。 LGVで貨物列車の運行を制限している背景には、速度の遅い貨物列車が混在することで本来TGVが持っている高速性能を著しく制約してしまう点がある。また、TGVの高速走行に起因する乱気流によりすれ違う低速の貨物列車の走行が不安定になり、これは貨物列車・旅客列車双方にとってリスクをもたらすことになり、結果としてコスト高に繋がってしまう。ただし路線延長されたLGV大西洋線のトゥールへの分岐線や、LGV地中海線で計画中のニーム・モンペリエへの分岐線などでは貨物列車との混合走行が考慮されている。 英仏海峡トンネル - ロンドン間のCTRLでは貨物列車の輸送を補助するためにループ線施設が建設されたが、開業後も未だに利用されていない。 ベルギーのHSL 2(Hogesnelheidslijn 2)ではブリュッセルからリエージュへ最高速度200km/hの電気機関車牽引の列車が、建設中のオランダのHSL Zuid やイギリスのCTRLでは最高速度200km/h以上で運行される国内のインターシティサービスなど、各国で高速新線を活用した国内輸送の改善が計画されている。 英仏海峡トンネルはLGVではないが、100km/hから160km/hまでの範囲で、混在した貨物輸送、シャトル列車、およびユーロスターの運行を管理するため、保安装置はLGVと同一のTVM(後述)を利用している。160km/hで走るユーロスターと140km/hのシャトル列車(カートレイン)、120km/hの貨物列車が混在するため、異なる速度で走る列車同士の運転間隔は広く取らなければならず、速いユーロスターは先行列車に追いつき、線路容量を低下させてしまう。そのため、ユーロスター同士を3分間隔で続行運転させることで線路容量を確保するなどの工夫がなされている。
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