国際映画祭での高評価
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「フアン・アントニオ・バルデム」の記事における「国際映画祭での高評価」の解説
1954年の『役者』はかつて書いた脚本を基に撮影した作品であり、第7回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されている。当時のスペインはフランコ独裁時代であり、スペイン映画が国外で上映されるのは稀なことだった。1953年には映画雑誌「レンズ」を創刊しており、同誌とサラマンカ大学生協映画クラブは1955年5月にサラマンカで国民映画会議を主催。この会議にはバルデムやベルランガの他に、俳優・監督のフェルナン・ゴメス、小説家のビスカイーノ・カサス、言語学者のフェルナンド・ラサロ・カレテールなどが参加し、検閲や映画批評のあり方、法制度や労働契約などが話し合われている。バルデムがスペイン映画に対して「政治的には無効、社会的には偽り、知的には最低、美的には無価値、そして、産業的には脆弱」と分析したことは後々まで語り草となっている。これを機にスペイン各地に映画クラブが誕生し、サラマンカ国民映画会議はスペイン映画史における歴史的事件のひとつとなった。 1955年の第8回カンヌ国際映画祭では審査員を務めた。1955年の『恐怖の逢びき』と1956年の『大通り』は1950年代のスペイン映画を代表する作品であり、スペイン映画史に残る不朽の名作とされている。『恐怖の逢びき』は人妻とその浮気相手が起こしたひき逃げ事件を描いたサスペンス映画であり、同年のカンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞を受賞した。カルロス・アルニーチェスの戯曲を原作とする『大通り』では撮影中に逮捕された事件もあったが、ヴェネツィア国際映画祭の国際映画批評家連盟賞を受賞した。1958年には『La vengeanza』でアカデミー外国語映画賞にノミネートされ、この作品は第11回カンヌ国際映画祭にも出品された。
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