国内管轄事項とは
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 07:03 UTC 版)
「内政不干渉の原則」の記事における「国内管轄事項とは」の解説
かつては「国内管轄事項とは、国家の政治制度や自国民の取り扱いなど国家の存立に欠かせない重要な事項である」と実体的に考えられていたが、1923年のチュニス・モロッコ国籍法事件の勧告意見で、常設国際司法裁判所は「ある事項がもっぱら国内管轄に属するか否かは、本質上相対的な問題であり、国際法の発展に依存する」とし、国内問題の範囲は動くものとしている。このため一般に「国際法が規律せず各国の主権的裁量にゆだねられている分野」と理解されている。一方で第二次大戦後は人権の保護が国際的関心事項となり、1948年の世界人権宣言を始め様々な国際人権条約が誕生した。人権問題の発生が直ちに外国からの干渉をもたらすものではないが、大規模な、とりわけ重大な人権侵害は単に国際人権保障の観点から問題となるだけではなく、周辺地域の国際の平和と安全にも脅威となる重大な事態となる恐れがあるため正当な国際的関心事項として扱われる。さらに1993年の世界人権会議で採択されたウィーン宣言及び行動計画では「各国の歴史的、文化的背景は考慮する必要性は認めるが、人権の普遍性に疑いの余地がない」ことが明言された。このウィーン宣言及び行動計画に拠って国際連合人権高等弁務官事務所が設立され、2006年には世界の人権状況を監視し、体系的な人権蹂躙に対処するための国際連合人権理事会が設立された。
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