回転原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 09:17 UTC 版)
「ボールベアリングモータ」の記事における「回転原理」の解説
ボールベアリングモーターが回転するのは、主に2つの原理が提唱されている。ひとつは、ベアリング構成要素である剛球の熱膨張力説です。もうひとつは、ベアリングが磁性体であることに起因するローレンツ力説。 熱膨張力説とは、まず、ベアリングの剛球との接点に電流が流れることによるジュール熱で剛球の接点の微小ポイントが膨張することにより、それまで回転していた向きのベクトル力が働くとするもの。原理を示唆すると思われるのは、「Trevelyan's Wieger」または、「Trevelyanのロッカー」かもしれない。ただし、トレベリアンのロッカーの接点は、振動方向の力だけであり、回転力を促す横向きの力はない。ところが、ベアリングが回転している場合は、剛球の接点エリアが、内外輪との接点を結ぶ中心線から常に転動側にあり、そこにおいて接点面に膨張圧による応力が発生するという特徴がある。そしてその応力の方向は剛球の中心方向の成分と接線方向の成分に分けられ、この後者の接線方向の力成分が剛球の回転トルクに寄与しているというもの。しかし、この説を裏付けるためには、非磁性の材質による比較実験が求められる。 一方、ローレンツ力説とは、ベアリングの剛球、および、外内輪のすべて、あるいはその一部が強磁性体であると、そこに電流が流れた場合に、電流とそれによって生じる磁束によりローレンツ力が発生するが、ベアリングが回転中のみに回転トルクが発生するというものである。この説には、渦電流によるとするもの、表皮効果によるもの、残留磁束によるとするものなどがある。この中で渦電流説については、剛球の初動回転と通電後の剛球の回転の向きが逆となってしまうため新たな説明が必要になる。表皮効果を原因とするものは、剛球が導体の一つであり、これが回転すると、交流電流の場合と同様な表皮効果が現れ、ベアリングを流れる電流のほとんどは剛球の表面を流れるとし、この表皮電流とその経路に生じる磁束とによってローレンツ力が発生し、その力の方向は回転の向きと一致しているとするものである。ただし、電流の経路や発生するローレンツ力は電流の極性や回転方向によって左右されるとするため、それぞれの条件による詳しい説明が求められる。 以下に、現時点にて詳しく論じられていると思われる、2つの説、すなわち、熱膨張説と残留磁束説を順に列挙する。
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