四チオン酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 23:09 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動四チオン酸 | |
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1,6-dihydrido-2,2,5,5-tetraoxido-1,6-dioxy-2,3,4,5-tetrasulfy-[6]catena |
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別称
2-(dithioperoxy)disulfuric acid
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 13760-29-7 |
PubChem | 26259 |
UNII | 8V1L8R19JH |
KEGG | C02084 |
ChEBI | |
ChEMBL | CHEMBL3306828 |
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特性 | |
化学式 | H2O6S4 |
モル質量 | 226.27 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
四チオン酸(しチオンさん)またはテトラチオン酸(Tetrathionic acid)は、4つの硫黄原子が連なるポリチオン酸である[1]。
四チオン酸イオン | |
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2,2,5,5-tetraoxido-1,6-dioxy-2,3,4,5-tetrasulfy-[6]catenate(2-) |
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別称
2-(dithioperoxy)disulfate
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 15536-54-6 |
PubChem | 4657547 |
ChEBI | |
特性 | |
化学式 | S4O2− 6 |
モル質量 | 224.3 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
四チオン酸アニオンであるS4O2−
6は、四チオン酸に由来する硫黄のオキソアニオンである。このイオンに含まれる硫黄原子のうち2つは酸化状態0、2つは酸化状態+5である。あるいは、この化合物はS2−
2がSO3に結合して生じた付加体と見る事もできる。
生成
四チオン酸は、ヨウ素I2でチオ硫酸(S2O2−
3)を酸化して合成する。
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2S2O2−
3 + I2 → S4O2−
6 + 2I−
構造
四チオン酸の構造は、下図の様に立方体の3つの辺を辿ると可視化できる。下図はBaS4O6·2H2OとNa2S4O6·2H2OにおけるのS4O2−
6の配置を示したものである。多硫化物では、S-S-S-S の二面角が 90°に近づくのが普通である。
化合物
四チオン酸アニオンを含む化合物としては、四チオン酸ナトリウム:Na2S4O6、四チオン酸カリウム:K2S4O6、四チオン酸バリウム二水和物:BaS4O6·2H2Oが挙げられる。
性質
四チオン酸はチオ硫酸のような中間の酸化状態にある他の硫黄種と同様に、炭素鋼やステンレス鋼の孔食の原因となる事がある。
また、四チオン酸はSalmonella Enterica serotype Typhimuriumの終末電子受容体となる事が判っている。一方、哺乳類の内腔に存在するチオ硫酸は、免疫系が放出する活性酸素(主にNADPH酸化酵素が生成するスーパーオキシド)により酸化されて四チオン酸に変化する。これが、炎症反応に助けられて細菌の増殖を助成する[2]。
関連項目
出典
- ^ グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン. ISBN 978-0-08-037941-8。
- ^ Winter, Sebastian E. "Gut Inflammation Provides a Respiratory Electron Acceptor for Salmonella." Nature, 23 Sept. 2010. Web. 28 Mar. 2013.
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