十フッ化二硫黄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/01 09:45 UTC 版)
十フッ化二硫黄(じゅうフッかにいおう、disulfur decafluoride)は化学式 S2F10 の無色揮発性の液体である。五フッ化硫黄(ごフッかいおう)とも呼ばれる。きわめて毒性が強い。 融点は-52.7°C、沸点は30°Cであり、S原子を中心として8面体形が連結した構造で、S−S 間距離が221pm、S−F 間が156pmの D4d 対称形である。 次式に示す光化学反応によって得られる。 2 SF 5 Cl + H 2 ⇄ S 2 F 10 + 2 HCl {\displaystyle {\ce {2SF5Cl\ +H2\ \rightleftarrows \ S2F10\ +2HCl}}} 水またはアルカリ性では常温下では加水分解しない。アセトン溶液中でヨウ化カリウム KI をヨウ素 I2 に酸化する。また特色ある酸化的フッ素化剤として利用され、その反応は S−S 間のラジカル解裂を開始反応とすると考えられている。 S 2 F 10 ⟶ 2 SF 5 ⋅ {\displaystyle {\ce {S2F10->2SF5^{\cdot }}}} 2 SF 5 ⋅ ⟶ SF 4 + F ⋅ {\displaystyle {\ce {2SF5^{\cdot }->SF4\ +F^{\cdot }}}}
※この「十フッ化二硫黄」の解説は、「フッ化硫黄」の解説の一部です。
「十フッ化二硫黄」を含む「フッ化硫黄」の記事については、「フッ化硫黄」の概要を参照ください。
- 十フッ化二硫黄のページへのリンク