啓蒙礼儀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 19:24 UTC 版)
啓蒙礼儀(けいもうれいぎ)とは、聖体礼儀にあたって精神面を準備する礼儀である。信徒や啓蒙者(洗礼志願者)への教えが主眼であり、使徒経朗誦、福音経奉読はここで行われる。 啓蒙礼儀は、輔祭の呼びかけ「君や、祝讃せよ」とそれに呼応する司祭の祝讃「父と子と聖神の国は崇め讃めらる、今もいつも世々に」、詠隊(会衆)による祈り「アミン」(アーメンのギリシャ語読み)によって始まる。 連祷とアンティフォン等の祈祷を繰り返した後、小聖入が行われ、福音経(ハリストスの象り)が至聖所から聖所へ持ち出される。小聖入は本来、福音経を聖堂に運び入れ、信者が共に入堂するものであったと考えられている。小聖入のあと、その日の発放讃詞、聖三祝文、ポロキメンが歌われ、使徒経および福音経の誦読を行う。使徒経や福音経の誦読箇所は、教会暦によって定められている。 ポロキメンから使徒経の誦読のときに、地域によっては座ることがあるが、ロシア系等の正教会の習慣では、啓蒙礼儀の間中も立ち続けることが普通である。他方、福音経の誦読は輔祭もしくは司祭が行うが、このときに起立する習慣はどの地域の正教会にも共通している。 教会によっては福音経の朗読のあとに説教が行われる(そうでない教会では信者の礼儀のなかで説教が行われることが多い)。 福音経の朗読のあと、重連祷(じゅうれんとう)を行い、啓蒙者のための祈願でありかつ退席を促す「啓蒙者の連祷」へと到る。
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