問題の元になった図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/21 03:51 UTC 版)
大道詰将棋の問題には古典の改作があった。『大道棋辞典』の著者である田代邦夫によれば、以下のような図が原図として考えられている。 △持ち駒 残り駒全部 ▲持ち駒 金金銀図4-A 『象戯勇士鑑』8番 △持ち駒 残り駒全部 ▲持ち駒 香歩図4-B 28手目7一玉 △持ち駒 残り駒全部 ▲持ち駒 香図4-C 『待宵』49番 香歩問題の元となる最初の図は初代大橋宗桂の『象戯力草』90番と考えられている。 宥鏡という人物が書いたとされる『象戯勇士鑑』8番(図4-A)の途中図(図4-B)は、7五に攻め方の桂馬が置かれている。これにより現在の香歩問題に近づいたといえる。ただし、この書では以下▲7二歩△8一玉▲8五香△9二玉 という手順で詰みとされている。既に述べられている通り▲8五香 に△8四桂 以下で逃れている。 『待宵』(渡瀬荘治郎著)49番(図4-C)は、宥鏡の問題で逃れ手順となっていた桂金合いを作意にした問題である。 △持ち駒 残り駒全部 ▲持ち駒 香歩図4-D 『将棋十局留』より 明治時代に発行された『将棋雑爼抄』(多賀高潔編)には、この桂金合いや角2枚合いを使用した逃れ図が掲載されている。大正7年に発行された『初心独習詰将棋講義』(土居市太郎編)には、角2枚合い型の問題が掲載されている。 『将棋雑爼抄』以前の角2枚合いの問題は知られていなかったが、『将棋十局留』(渡瀬荘次郎・小林東四郎共著)に問題が存在することが確認されている。 △持ち駒 残り駒全部 ▲持ち駒 銀銀図4-E 『将棋駒競』86番 △持ち駒 残り駒全部 ▲持ち駒 銀銀桂桂図4-F 『象戯手段草』83番 △持ち駒 残り駒全部 ▲持ち駒 なし図4-G 『将棋必勝法』2番 8一玉型銀問題の原図としては、『将棋駒競』(初代伊藤宗看)86番と『象戯手段草』(伊野辺看斉著)83番があげられている。これらの図は攻め方の2段目の飛車と馬が玉を取り囲んでいる。後者の図では、玉方の7四馬が配置されている。 9三玉型銀問題の原図は『将棋必勝法』(渡瀬荘治郎著)2番である。この図から▲2五銀△同銀▲同銀△1三玉 の4手を経て例としてあげた図(左右逆)となる。
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