品詞による相違
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 03:36 UTC 版)
名詞では、その語が指示する対象の数量的な相違を表している。例えば、英語で cat と言えば一匹の猫、cats と言えば何匹もの猫を指している。 代名詞にも数の区別があり、日本語のように名詞の数を明示しない言語でも代名詞の数は区別するものが多い。ただし西欧語では二人称複数を二人称単数の敬称として用いる場合があり、特に現代英語ではこのために二人称代名詞が you のみで、数の明示的区別は完全になくなっている。 一人称代名詞の複数形は、相手を含めない用法(排除形)もあるが、相手(本来なら二人称)を含めて第三者(三人称)と対立させる用法(包括形)もあり、この二つを区別する言語も多い。 動詞や形容詞などでは、その主語や被修飾語などの名詞等が指す対象の数量的な相違を表す(「一致」という)。例えば、ラテン語で、amat は「彼/彼女は愛する」(主語は一人)であるが、amant は「彼ら/彼女らは愛する」(主語は二人以上)である。 数えられる複数の対象からなる集団を表す名詞を集合名詞といい、名詞と動詞等の数が形式上一致しない場合がある。例えば英語の family などは、人でなく集団自体を指す場合には単数(複数の集団を指す場合は複数形になる)、集団の構成員全体を指す場合には単数形のままで複数として扱われる。 多くの言語では、名詞の単数形が無標、複数形が有標(例えば英語の複数語尾-s)というパターンが一般的であるが、集合名詞に当たる名詞で逆に単数形が有標となる言語もある。 このほか、一部の言語では動詞により表される動作・現象が単独(単発)か複数(反復)かによる区別(相)がある。
※この「品詞による相違」の解説は、「数 (文法)」の解説の一部です。
「品詞による相違」を含む「数 (文法)」の記事については、「数 (文法)」の概要を参照ください。
- 品詞による相違のページへのリンク