向上型ペイブウェイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/25 11:50 UTC 版)
ペイブウェイIIとペイブウェイIIIは湾岸戦争でも使用され、精密誘導爆弾の有効性が実証されたが、雨・霧・砂塵といった天候や煙幕などの環境によって使用が制限され、爆撃目標点を観測手などが投下から着弾まで常にレーザー照射を続けなければならないといった運用上の制約が課題として浮かび上がった。 1990年代から誘導方法のバックアップ技術の開発が開始された、全地球測位システム援用慣性航法装置(GAINS)と呼ばれる、GPSとINSを組み合わせた誘導装置をレーザー誘導装置と組合わせて使用する技術が開発された。レイセオン社では、この技術に基づくペイブウェイをDMLGB(Dual Mode Laser Guided Bomb)と呼んで、向上型ペイブウェイII(Enhanced PavewayII)と向上型ペイブウェイIII(Enhanced PavewayIII)として新たなペイブウェイ・ファミリーを生み出した。 2003年よりアメリカ空軍での配備が開始された。イギリス向け輸出型にMk13/20(1,000ポンド爆弾)やMk82E(500ポンド爆弾)を弾体とする製品も存在する。制式名称はGBUの前に"Enhanced"を示す"E"が付けられ、"EGBU"となった。 向上型ペイブウェイII EGBU-10:Mk 84 2,000ポンド爆弾 EGBU-12:Mk 82 500ポンド爆弾 EGBU-16:Mk 83 1,000ポンド爆弾 向上型ペイブウェイIII EGBU-24:BLU-109/BLU-116 2,000ポンド爆弾 EGBU-27:BLU-109 2,000ポンド爆弾 EGBU-28:BLU-113/BLU-122 5,000ポンド爆弾 これらの誘導爆弾では、GPS/IMUのみ、レーザー誘導のみ、GPS/IMUとレーザー誘導の併用(GBU-28B/BとC/BだけはIMUのみも可能)という多様な誘導方式が選択できた。レーザー誘導式のJDAM(LJDAM)との違いは、LJDAMがGPS/INSによる誘導を主としているのに対してEGBUではレーザー誘導を主としている点で異なる。
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