合成ウルトラマリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 23:39 UTC 版)
「ウルトラマリン」の記事における「合成ウルトラマリン」の解説
1814年にサンゴバンのタサエール (Tassaert) は、石灰を焼くかまどの中にウルトラマリンではないとしても非常に似た青い化合物が生成しているのを発見した。1824年、この発見に対して工業奨励協会 (Societé pour l'Encouragement d'Industrie) から「貴重な顔料の人工製造のための賞」が贈られた。製造工程は1826年にフランスのジャン・バプティステ・ギメ(フランス語版)、1828年にテュービンゲン大学のクリスティアン・グメリン(ドイツ語版)によって開発された。ギメは開発した製造法を公開しなかったため、グメリンが人造の合成ウルトラマリンの創作者として知られるようになった。 合成ウルトラマリンは非常に安価で、高彩度であり美しい色合いをしているので、紙、ゴム、プラスチックの着色、壁紙や更紗の染色、壁画やタブローなど、広く使われている。また白いリンネルや紙などの黄ばみの調整にも用いられる。「ランドリー・ブルー」(青み付け)は合成ウルトラマリンの溶液で、白い服を洗濯するときに用いられる。紙の製造に大量に使用され、特にイギリスでポピュラーな薄く青みがかった便箋を作る際に使われる。なお、かつては合成ウルトラマリンとカドミウムイエローの混合物が「カドミウムグリーン」という名の緑色顔料として使われたが、現在では「カドミウムグリーン」はカドミウム黄とフタロシアニン緑の混合によるものが主流である。
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