右舷と左舷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 07:37 UTC 版)
詳細は「舷」を参照 右舷をスターボードと呼ぶのは steeringboard(スティーリングボード)、つまり舵板の側が右舷に付いていたためであった。その舵のじゃまにならない左舷側に桟橋や岸壁を着けたので左舷をポートサイドや単にポートと呼んだ。英国では左舷はもともとラーボードと呼んでいたが左右で発音が似ていたため、他国と同じくポートと呼ぶことになった。これらは帆船の構造に由来するルールであるが、現代でもそのまま適用されている。 船の交通ルールでも同様のルーツに基づいて決められたスターボード艇優先の原則があり、原則として右側通行である。日本では複数の航路がブイによって仕切られこのルールに従っているが、ただ1か所、瀬戸内海の来島海峡航路では潮流の流向によって変則的に左側通航になることがある。 船では右舷が上席であり左舷は下座になる。船長は階段でも右舷側を使い、船長室も右舷側にあるのが普通である。また、船倉の番号も右舷側から1番が始まる。 プレジャーボートでも、ある程度の大きさ以上のものは操船席(ヘルムステーション、フライブリッジなど)が右舷側となり、それとは異なる中央配置のものを「センターコンソーラー」と呼び、区別している。 航空業界では船舶の文化や慣習が持ち込まれており、大型の航空機を『シップ』、最高責任者を「キャプテン」、乗務員を「クルー」、積荷の出し入れをする側をポートサイドと呼び、原則として右側通行である。また法的に座席の指定はないが、キャプテンは左席(ポートサイド)に着席するのが一般的となっている。
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