台湾総統選(たいわんそうせんきょ)
「総統」は他国で言う「大統領」にあたる。今回は第2回選挙となった。台湾総統の権限として、(1)立法院(議会)の解散権、(2)行政院(内閣)長の任免権などがある。
今回の選挙で注目されたのは、中国との関係だった。中国は陳氏を「独立派」として終始、反対の立場を取ってきた。これは、陳氏の支持母体「民進党」が「台湾独立」を党是にしているためで、陳氏が当選すれば中台の統一がより難しくなると予想されたためである。
中国側としては、台湾との関係改善にあたり、香港・マカオの例のように「1国2制度」を採用したいと考えている。これは国家主権は中国に属するが、台湾の軍隊保有や資本主義経済体制に対しては中国は干渉しない、など台湾に広範な自主裁量権を認める形で中台を統一するというものである。
しかし台湾としては、「台湾の統治権は台湾にある」という姿勢を取り、台湾が中国に併合される形での統一は避けたい考えである。1999年7月には、李登輝総統が「特殊な国と国との関係」と、初めて台湾を「国」として発言、中国側はこれに激しく反発した。
また先日、中国は「台湾白書」を発表、台湾が統一交渉を無期限に拒絶した場合には武力行使もありうる、との見解を示し、台湾との統一交渉を進める考えを強調した。
早期統一を望む中国に対し、台湾側では独立も統一も望まない、とする「現状維持派」が半数以上とされる。陳氏も「中国が武力行使を行わないならば独立宣言はしない」と発言、「理性的な総統」という立場をアピールしている。
(2000.03.20更新)
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