台地・低地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 04:15 UTC 版)
メセタはイベリア半島中央部に広がる広大な平原であり、その標高は610-760mである。西部はポルトガル領まで広がっているが、一般的にはかつてのカスティーリャ王国領土を指してメセタと呼ぶ。メセタは西部を除いて標高の高い山地に囲まれている。西側のスペイン=ポルトガル国境に向かって緩やかに傾斜しているため、メセタを流れる河川は東から西に向かって流れている。セントラル山系はメセタの「背骨」と表現され、メセタを北メセタ(スペイン語版)と南メセタ(スペイン語版)に分けている。カスティーリャ・イ・レオン州を中心とする北メセタは、カスティーリャ=ラ・マンチャ州を中心とする南メセタに比べて標高がやや高い。 メセタの外側にはエブロ平原(北東側)とグアダルキビール平原(南側、アンダルシア平原)が広がっており、その他には北西側にサド=タホ平原、東側にバレンシア平原が広がっている。エブロ平原とグアダルキビール平原はアルプス山脈の隆起と同時期に形成され、水源を頂点とする三角形の形状をしている。エブロ平原はエブロ川の流域に形成された平原であり、下流部ではカタルーニャ海岸山脈によって地中海と隔てられているため、グアダルキビール平原とは違って内陸性の特徴を有する。グアダルキビール平原はグアダルキビール川の流域に形成された幅の広い平原であり、河口部の大西洋(カディス湾)に向かって開けている。グアダルキビール平原の北側はシエラ・モレナ山脈が、南東側はベティコ山系がそびえており、平原の東端部で二つの山地が合流している。ポルトガルとの国境に近いタホ川やグアディアナ川の流域には小規模な低地が形成されている。沿岸地域と海岸山脈の間にはいくつかの小規模な海岸平野が形成されている。 広大な台地であるメセタや、メセタを取り囲む山地の存在によって、スペインの国土の50%以上が標高600m以上であり、標高200m以下の土地は10%に満たない。国土の平均標高は660mであり、ヨーロッパの主要国では平均標高1,340mのスイスに次いで平均標高が高い国である。ヨーロッパ大陸には最高標高4,810mのアルプス山脈などがあるにもかかわらず、2/3以上は標高200m以下の土地である。
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