古代の貨幣論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 10:19 UTC 版)
中国では、春秋戦国時代から漢代にかけて多くの貨幣論が書かれた。春秋戦国時代の出来事をもとに書かれた『国語』に登場する穆公は、基準通貨と補助通貨の2種類の貨幣で調整をするという子母相権論を説いた。『墨子』では刀貨と穀物価格の関係を論じており、『孟子』では一物一価の法則への反論がなされている。司馬遷は『史記』の貨殖列伝で范蠡の逸話を通して物価の変動を説き、『管子』は君主による価格統制をすすめている。 インドではマウリヤ朝時代にカウティリヤが『実利論』で貨幣の政策について書いており、使用する銅貨の指定がある。 ギリシャの貨幣論は、プラトンの『国家』、アリストテレスの『政治学』や『ニコマコス倫理学』などに見られる。クセノポンは『歳入論』でペロポネソス戦争敗北後のアテナイの財政再建について書き、貿易振興による関税、在留外国人であるメトイコイの優遇による人頭税、ラウレイオン銀山の再開発による貨幣発行益を提案した。
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