受賞作『遊民爺さん』シリーズ
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「小沢章友」の記事における「受賞作『遊民爺さん』シリーズ」の解説
『遊民爺さん』(TBSブリタニカ)(1993単行本発行)、(小学館文庫)(1998文庫化) 芸術好きで、高等遊民をきどる、ジョギング姿の異様な風体の老人「遊民爺さん」。 主人公の「哲郎くん」に、遊民爺さんが、芸術の話や食べ物の話や、とにかく何やかんや話しかけてくる。 何弁だかわからない、おかしな口調でぺらぺら話す爺さんの話を、初めはうっとうしく聞いている哲郎。でもだんだんおもしろおかしく感じてきて、遊民爺さんに話しかけられるのが楽しくなってくる。哲郎にほめられ、遊民爺さんは一念発起して小説を書く。だが、現実は甘くはなかった……。人生の可笑しさとほろ苦さを描く第一作(開高健賞奨励賞受賞)。 『遊民爺さん、パリへ行く』(阪急コミュニケーションズ、1998) 第二作。1986年、夏。前年のクリスマスに20歳の画学生リヤンちゃんに恋してしまい、ずっと会えないまま傷心を抱えた芸術好きのディレッタント爺さんが、下北沢商店街の福引で「金の玉」パリ旅行を引き当てる。「パリだがや! 哲郎くん、パリへ行くがや!」広告代理店に勤める哲郎を相棒に、憧れの都・パリへ―。ダンテの「神曲」にちなんで「地獄篇・赤の日」「煉獄篇・白の日」「天国篇・青の日」と、抱腹絶倒の珍道中が展開される。パリの名所も随所に折り込んだ、ちょっぴり切ないユーモア小説。 『遊民爺さんと眠り姫』小学館(2001) 第三作。遊民爺さんがまたも恋におちる。バーン・ジョーンズ展で、「眠り姫」の絵の前にいた、そこから抜け出てきたような美しい女性。オペラ歌手の卵で、ナルコレプシー(眠り病)だと言うのだが・・・。そのころ、駆け出しのコピーライターの哲郎は、仕事で苦悩していて・・・。眠り姫は舞台を成功させることができるのか? 遊民爺さんの淡い恋のゆくえは? 誰もが何かを背負って生きている。恋と夢と哀しみのユーモア・メルヘン。
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