受動スイッチと能動スイッチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 02:34 UTC 版)
「KVMスイッチ」の記事における「受動スイッチと能動スイッチ」の解説
KVMスイッチは本来、受動的な機械的デバイスであり、単に複数のケーブルを接続するコネクタの間をスイッチで繋いでいるだけで、今もそのような機器は非常に安価に販売されている。機械式スイッチは一般にノブをひねってコンピュータを切り返す。このようなKVMスイッチはあまり多数のコンピュータを接続することはできず、通常は2台から4台で、せいぜい12台が限界である。最近では機械式スイッチの代わりに能動的電子回路を使い、より多くのコンピュータを接続できるようになっている。 機械式KVMスイッチの問題点は、ある時点でキーボード等に接続していないコンピュータからは、キーボードやマウスが切り離されているように見えるという点である。通常これは問題にはならないが、マシンのブートの際にキーボードやマウスが接続されていないことを検出すると、ブートが失敗したり、予期しない構成(例えばマウスレス状態)で立ち上がるといったことが発生しうる。したがって、機械式KVMスイッチはマシンが自動的にリブートするような状況には適していない。 多くの能動(電子式)KVMスイッチは、周辺機器のエミュレーションを行っており、選択されていないコンピュータに対してあたかもキーボードやマウスやディスプレイが接続されているかのような信号を送る。したがって、不意のリブートにも対応できる。周辺機器エミュレーションはハードウェアが行っており、コンピュータ側が継続的な信号を要求するような場合にも対応できる。 機械式スイッチの場合によくある問題として、スイッチの接触不良で画面の表示が乱れたりキー押下を認識しないことがあり、スイッチのノブを小刻みに動かしたりしなければならないときがある。 能動KVMスイッチの問題として、信号を100%完全に伝えないことがあり、対象コンピュータ上でバグのような症状を発生させることがある。例えば、マルチメディアキーボードをKVMスイッチに接続した場合、コンピュータ側からはマルチメディアキーが認識できないことがある。また、Ubuntuなどのブート時のプラグアンドプレイによる周辺機器検出に強く依存しているOSでは、ディスプレイを間違って検出することがあり、800×600などの非常に低い解像度で起動してしまうことがある。
※この「受動スイッチと能動スイッチ」の解説は、「KVMスイッチ」の解説の一部です。
「受動スイッチと能動スイッチ」を含む「KVMスイッチ」の記事については、「KVMスイッチ」の概要を参照ください。
- 受動スイッチと能動スイッチのページへのリンク