反射測定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/05 03:06 UTC 版)
反射吸収(Reflection absorption, RA)法 金属表面上の薄膜や分子吸着種の赤外スペクトルを、高感度に測定できる方法。通常、赤外線のp-偏光を大きな入射角 (grazing angle) で入射し、その反射光を測定する。試料とバックグラウンドの反射率の比から吸光度を求めた反射吸光度 (reflection‐absorbance) を縦軸とした表示をする。 外部反射法 非金属表面上の薄膜や分子吸着種の赤外スペクトルを測定する反射測定法。s偏光および p偏光のいずれも利用できる。入射角に応じて、吸収スペクトルの形状や強度、さらには符号まで変化する、複雑なスペクトルを与える。特に符号は分子吸着種の官能基の配向を反映しているため、利用価値が大きい。しかし、一般に非金属上での反射率は非常に低く、MCT検知器を用いても S/Nの良い測定は難しいことが多い。 減衰全反射(attenuated total reflection, ATR)法 内部反射法に分類される。試料を屈折率の大きい媒質結晶に密着させ、入射角を臨界角より大きくとり、試料とATR結晶間で全反射が起きるように設定する。全反射が生じるとき、界面で光は試料側に少しだけもぐりこんで反射されてくる(エバネッセント波)。試料に吸収のある領域では、吸収の強さに応じて反射光のエネルギーが減少する。この反射光を測定することによりスペクトルが得られる。反射回数は1回の単反射のものから7-21回程度の多重反射型まで選べる。単反射の場合は、半筒型プリズムによる入射角を変えた測定も可能だが、多重反射型の場合は固定入射角の台形(または平行四辺形)プリズムを用いる。全反射条件を守るため、プリズムと試料の屈折率をあらかじめ調べ、臨界角より十分大きな入射角に設定する必要がある。
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