反対称性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/20 21:17 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動![]() | この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。2015年3月) ( |
反対称性(はんたいしょうせい)とは数学で、ある要素にある変換を施した結果が、元の要素に逆符号を付けたもの(実数でいえば絶対値が同じで正負が逆)と等しくなる、という性質をいう。対象分野によっては交代性(こうたいせい)または歪対称性(わいたいしょうせい)とも呼ばれる。このような要素を「その変換に対して反対称である」という。変換によって変化しない「対称性」に類似した性質であり、対称性・反対称性とも全くない「非対称性」とは異なる。反対称性の要素に変換を複数回施すと、元と同じになる。
例
- 奇関数:変数の反転に対して反対称である関数を奇関数という。
- 波動関数(量子力学):空間反転操作によって逆符号になる波動関数を、反対称であるという(各座標軸の反転に対して奇関数であるということ)。それに対して空間反転により変化しない波動関数を対称という。これらで表現される電子軌道をそれぞれ、反対称性軌道・対称性軌道という。
また、同種の複数のフェルミ粒子からなる系の全波動関数は、任意の2つの粒子の交換に対して反対称である。 - 交代式:f(x, y) = x2 − y2 のように、変数xとyの交換操作によって逆符号になる式をいう。変数交換に対して反対称である。
- 反対称行列・反対称テンソル:行列の要素に対する転置操作により、元の行列と逆符号になるような行列を、反対称行列(または交代行列)という。同様に添字の交換により元と逆符号になるテンソルを、反対称テンソルという。反対称テンソルの例として電磁テンソルなどがある。
- 行列式:行列式は一般に、任意の2つの行または列の交換操作に対して反対称である。
関連項目
反対称性と同じ種類の言葉
- 反対称性のページへのリンク