原発と軍事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 13:21 UTC 版)
核分裂反応は商用原発より先に、核兵器(原子爆弾)として軍事利用された(「マンハッタン計画」「広島市への原子爆弾投下」を参照)。また放射能汚染をもたらす核物質は、「汚い爆弾」など核テロリズムへも使用されうる。 このため、核拡散防止条約に加盟する核兵器非保有国は、原発やそこで使われる核燃料の再処理工場などの原子力施設では、秘密裏の核兵器開発やそのための核物質盗難を防ぐため、その国の政府機関や国際原子力機関(IAEA)による査察など厳しい監視や保安対策が行われる 1977年に採択されたジュネーヴ諸条約追加議定書(第56条)において、原子力発電所は「危険な力を内蔵する工作物及び施設」の一つとして位置づけられ、武力による攻撃が禁止されることとなったが、他国の核兵器開発阻止や発電所の破壊、占拠などを狙った原発への攻撃も、下記のように実際に起こっている。 1981年6月7日 - イスラエルは、イラクが建設していた原子力発電所を空軍機により爆撃、破壊した(イラク原子炉爆撃事件、バビロン作戦)。 2017年12月3日 - イエメンの反政府武装組織フーシは、アラブ首長国連邦(UAE)が建設している原子力発電所に向けて弾道ミサイルを発射したと発表。UAE側は、これを否定した。 2022年2月24日 - ロシアはウクライナへ侵攻する過程でチェルノブイリ原子力発電所を占拠した(チェルノブイリの戦いを参照)。また、その後、同年3月4日には同国内のザポリージャ原子力発電所にも攻撃を加えて占拠した(ザポリージャの戦いを参照)。
※この「原発と軍事」の解説は、「原子力発電所」の解説の一部です。
「原発と軍事」を含む「原子力発電所」の記事については、「原子力発電所」の概要を参照ください。
- 原発と軍事のページへのリンク