即位灌頂の実施法とは? わかりやすく解説

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即位灌頂の実施法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:09 UTC 版)

即位灌頂」の記事における「即位灌頂の実施法」の解説

即位灌頂は、即位する天皇摂関家、主に二条家人物から印相真言伝授を受け(印明伝授)、それを即位式の中で実修する秘儀としての性格上、記録があまり残っておらず、その内容について知ることは困難であった。しかし近年二条家保存されていた文書公開され、その中に即位灌頂関連文書もあり、即位灌頂実践方法についての研究進みつつある。 印相伝授は、即位式当日行われること基本であったが、印明伝授者が喪に服しているなどの事由がある場合前日になることもあった。 即位灌頂の際、天皇が結ぶ印相金剛界大日如来を表す智拳印とされる大日如来を表す智拳印を結ぶ点については、本地垂迹において天照大神同一視され大日如来印相を結ぶことによって、即位する天皇大日如来同一化し、至高存在となる意味があるとされる真言は、胎蔵界大日如来真言ないし荼枳尼天真言唱えたとされる。なお、真言唱えると言っても発声はせず、心の中唱えた荼枳尼天真言は、後述する真言寺院伝えられている東寺方即位法でも用いられており、即位灌頂との密接な関連指摘されている。性に関係が深い荼枳尼天即位灌頂と関係があることについては、網野善彦唱えたように性と天皇との関わり合い求める説がある。 天皇印明を結び、真言唱える実修については、かつては即位式の際、天皇高御座まで歩いている間に行うと考えられていたが、最近の研究では高御座着座してから行われたとされている。即位灌頂秘儀であったことから、高御座天皇着座した直後女官天皇の顔を翳(さしば)で覆っている間に行われた見られている。 上記江戸期における二条家即位灌頂についての文書からの分析であるが、室町時代は、例え後奈良天皇の宸記によれば、三印三明(つまり三つ印相三つ真言)の伝授を受け、高御座へ進むまでに第一印相を結び、着座後に第二第三印相を結ぶ方式をとっており、即位灌頂実施方法時代によってかなり変遷があったものと推定されている。

※この「即位灌頂の実施法」の解説は、「即位灌頂」の解説の一部です。
「即位灌頂の実施法」を含む「即位灌頂」の記事については、「即位灌頂」の概要を参照ください。

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