博物学の対象として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 02:10 UTC 版)
南方熊楠 (1867–1941; 図11) が変形菌に深く興味を抱いて研究したことは、広く知られている。論文の形では発表されなかったものが多いが、南方の業績として日本産の変形菌を精査して196種を目録として報告したこと、生木の樹皮にのみ生育する変形菌の存在に世界に先駆けて注目したこと、いくつかの新種を発見したこと (ただし多くの場合彼の名は記載者に含まれていない) などがある。南方が自宅 (和歌山県) で採集した標本に基づいてグリエルマ・リスターによって新属新種として記載されたミナカタホコリ(ドイツ語版) (Minakatella longifila) は生木樹皮に生育する変形菌であり、その学名は南方に献名されている。また昭和天皇も、一時変形菌に関心を待ち研究を手掛けていた。南方は昭和天皇に御進講し、標本を献上したことが知られている。昭和天皇の那須御用邸付近を中心とする採集標本からも数多くの新種が記載されており、服部広太郎の『那須産変形菌類図説』に結実している。 変形菌の子実体は微小であるが肉眼で見つけられるほどの大きさをもち、美しく奇妙な形をしたものもあり、種数も多いため多くの人の興味を引き、愛好家やアマチュア研究者もいる。日本では1977年に国立科学博物館の萩原博光らによって日本変形菌研究会が組織され、プロの研究者とアマチュア研究者、愛好家との交流や研究発表の場として機能している。また、一般向けの変形菌の書籍も比較的多く出版されている。
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