南長岡・片貝ガス田
【英】: minami nagaoka-katagai gas field
新潟県中部、JR 信越本線来迎寺駅付近に位置する、火山岩類を貯留岩とするガス田。 片貝ガス田は石油資源開発(株)により 1960 年に発見され、1961 年 10 月に生産が開始された(ガス層が西山層中の安山岩質集塊岩)が、1978 年にいたり深部でより大規模なガス層(寺泊層中の緑色凝灰岩)の存在が確認された。1979 年の帝国石油(株)による試掘で、片貝ガス田の北に隣接する同社鉱区にガス層が大きく広がっていることが判明し、同社はこれを南長岡ガス田と名づけた。すなわち、両ガス田は鉱区境界をまたいで一体の鉱床であるため、「南長岡-片貝ガス田」と呼ばれる。 地質区としては新潟盆地(背弧盆地)に属し、集ガス形態は背斜構造(の深部の火山噴出物)、集ガス面積は約12km2 。主ガス層は第三紀中新世の寺泊層中に厚く分布する緑色凝灰岩(主として流紋岩溶岩、同質集塊岩、同質凝灰岩)で、亀裂やバグのなかにガスが集積している。ガス層の深さは 4,000 ~ 5,000m と極めて深い。埋蔵量は公表されていない。 2002 年の生産量は、南長岡がガス 141.4 万 m3 / 日、コンデンセート 215 kL / 日、片貝がガス 73.9 万 m3 / 日、コンデンセート 79 kL / 日、合計で 215.3 万 m3 / 日(7,600 万立方フィート / 日)、コンデンセート 294 kL / 日(1,852 バレル / 日)と公表されている。また同年末の累計生産量は、南長岡がガス 59 億 6,200 万 m3 、コンデンセート 91.9 万 kL、片貝がガス 52 億 900 万 m3 、コンデンセート 49.2 万 kL、合計でガス 111 億 7,100 万 m3 (3,940 億立方フィート)、コンデンセート 141.4 万kL(890 万バレル)と公表されている。 主文献『世界の大油田』(1984)、『新潟の石油と天然ガス』(2000)、『石油と天然ガスの未来を拓く』(2004) (齊藤 隆、2006 年 3 月) |

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