千寿万歳とは? わかりやすく解説

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千寿万歳

読み方:センズマンザイ(senzumanzai)

正月民家門に立って家門繁栄祝い祝言述べつつ舞う芸能


千寿万歳

読み方:センズマンザイ(senzumanzai)

江戸時代例年正月京都御所貴族邸宅畿内檀那場をめぐって立などの祝福芸を演じた芸人

季節 新年

分類 人事


千秋万歳

(千寿万歳 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/11/21 04:33 UTC 版)

萬歳の源流、扇をもち舞い、鼓で拍子をとる。

千秋万歳(せんずまんざい)は、中世12世紀 - 16世紀)期に存在した日本の民俗芸能大道芸門付芸の一種であり、およびそれを行う者である[1][2][3][4]。「せんじゅまんざい」[1][2]「せんしゅうまんざい」[3]とも読み、千寿万歳(せんずまんざい)とも表記する[5]。行う芸能者を千秋万歳法師(せんずまんざいほうし)とも呼ぶ[6]新春の季語1月の季語である[3]

もともとは「せんしゅうばんぜい」と読み、「千年万年」つまり「永遠」を意味し、転じて長寿を祝う語であった[3]。これを語源とした予祝芸能となったものについて、本項で詳述する。

目次

略歴・概要

現代にも続く踏歌節会の踏歌が源流である、とする説がある[2]平安時代末期に勃興し、中世に大いに流行した[2]。2人1組で行う芸で、扇を持って舞う者と鼓で拍子をとる者がいた[5]

11世紀半ば、1052年(永承7年)前後に成立したとされる『新猿楽記』で、藤原明衡が「千秋万歳之酒禱」(せんずまんざいのさかほがい)と記したのが、最古の記録という[1]鎌倉時代12世紀 - 14世紀)には、藤原定家の日記『明月記』(1180年 - 1235年)、広橋兼仲の日記『勘仲記』(1268年 - 1300年)にも「千秋万歳」についての記述がみられるという[1]。1275年(建治元年)に完成した辞書『名語記』による定義では、散所法師(さんじょほうし)が新春の初子の日(最初の子の日)に家々を訪ねて門付し、金品を得る芸であるとする[1]

室町時代(14世紀 - 16世紀)には、寺に属しあるいは没落して民間に流れた職業芸人である「声聞師」(しょうもじ)が、新春の予祝芸能としの門付を行っていた[2]。15世紀末の1494年(明応3年)に編纂された『三十二番職人歌合』には、「絵解」(えとき)とともに「千秋万歳法師」として紹介されている[6]。この時代には、「声聞師」が旧暦正月五日に禁裏(御所)、旧暦正月七日には公方を訪れ、「千秋万歳」を演じ「曲舞」を舞った[1]

戦国時代(16世紀)の宮廷では、陰陽道による正月の儀式は陰陽頭が行ったが、正月四日五日には「千秋万歳の儀」があり、これを民間の芸能者である「声聞師」が行った[7]グレゴリオ暦1570年2月8日にあたる元亀元年正月四日には、正親町天皇(第106代天皇)が、「声聞師」の行った「千秋万歳」と「大黒舞」を観覧した記録が残っている[8]

16世紀末に発祥する三河萬歳の源流となった[5]

脚注

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  1. ^ a b c d e f 千秋万歳世界大百科事典 第2版コトバンク、2012年8月27日閲覧。
  2. ^ a b c d e 千秋万歳百科事典マイペディア、コトバンク、2012年8月27日閲覧。
  3. ^ a b c d 千秋万歳デジタル大辞泉、コトバンク、2012年8月27日閲覧。
  4. ^ 千秋万歳大辞林 第三版、コトバンク、2012年8月27日閲覧。
  5. ^ a b c 千秋万歳・千寿万歳、大辞林 第三版、コトバンク、2012年8月27日閲覧。
  6. ^ a b 小山田ほか、p.142.
  7. ^ 奥野、p.60-61.
  8. ^ 奥野、p.191-192.

参考文献

関連項目

外部リンク



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