医療機関での対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 10:08 UTC 版)
医療機関での対応は、薬物療法や認知行動療法、デイケアなどが中心となる。認知行動療法の一環として、ソーシャルスキルトレーニング(社会性訓練)を取り入れている医療機関もある。これは、不登校児童にしばしば不足しがちな、コミュニケーション技術の向上を図るものである。虐待や事故、災害、犯罪被害など、深刻なトラウマ体験によりPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症している場合、薬物療法の他、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)が有効とされている。日本EMDR学会は全国のEMDR治療者リストを公式サイトで公開している。 かつて精神疾患は入院医療が主体であったが、現在では多くが外来治療で対処できる。入院治療を必要とする場合でも、半数は3カ月以内に、8割強は1年で退院可能である。 本人に病識が無く、医療機関の受診を拒否することもある。本人の意思を無視した強制的な通院・入院は、新たなトラブルとなる可能性がある。しかし一方で、本人の状態によっては、医療保護入院や措置入院が必要となるかもしれない。いずれにせよ、まずは医師や臨床心理士など、専門家による助言を求めることが不可欠である。 不登校児童のほとんどは医療機関での診察を受けていない。文部科学省による「学校内外の機関等での相談・指導などを受けた(不登校児童の)人数」(複数回答可)の調査で、相談・指導先が「病院, 診療所」であった小・中学校の不登校児童は7.6%でしかない。対して、スクールカウンセラー、相談員、養護教諭など、学校内の専門家による相談・指導などは49.0%であり、著しい差がある。だが、発達障害を含む精神障害、精神疾患の有無を鑑別できるのは、専門的に訓練された精神科医のみである。
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