北極振動とはとは? わかりやすく解説

北極振動とは

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/16 18:18 UTC 版)

北極振動」の記事における「北極振動とは」の解説

1998年デヴィッド・トンプソンDavid W. J. Thompson)とジョン・ウォーレス(英語版)によって提唱された。彼らは北半球海面気圧の月平均平年からの偏差主成分分析して、第1主成分(EOF-1)としてこのような変動取り出されることを提唱した。この変動冬季顕著に現れ日本など緯度気候強く関連するため、赤道側のエルニーニョ現象並び近年注目されている南半球においても南極南半球緯度気圧が逆の傾向変動する現象が見つかっている(南極振動AAO))。 北極気圧平年よりも高いときには緯度気圧平年よりも低くなる主成分分析結果得られるこの偏差程度を表す値を北極振動指数AO指数AOインデックス)という。北極振動指数正負の値により表される。正(+)の時は北極北半球緯度気圧差大きいことを示し、"warm phase"と呼ばれているように中・高緯度では寒気流れ込み弱まって温暖になることが多い。一方(-)の時は北極北半球緯度気圧差小さいことを示し、"cool phase"と呼ばれているように寒気流れ込み強まって寒冷になることが多い。 北極振動指数が正(+)のとき 北極地上気圧平年より低い 北半球緯度地上気圧平年より高い 北極上空成層圏下部気温が低い 北極上空成層圏下部極渦が強い 北極振動指数が負(-)のとき 北極地上気圧平年より高い 北半球緯度地上気圧平年より低い 北極上空成層圏下部気温が高い 北極上空成層圏下部極渦が弱い 変動は複雑で、数週間程度から数十程度までのさまざまな周期を持つ変動重なっていると考えられている。1970年以降データでは特に6〜15年程度周期変動顕著で、準十年周期振動(quasi-decadal oscillation, QDO)と呼ばれている。北極振動発見以前から知られている北大西洋振動NAO)と北極振動指数符号良く一致しているため、同一現象(AO/NAO)として扱う場合もある。また、環状構造注目して北半球環状モードNorthern Annular Mode, NAM)と呼ばれることもある。なおこの現象地上付近だけでなく、成層圏にまで及ぶ大規模な現象である。

※この「北極振動とは」の解説は、「北極振動」の解説の一部です。
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