勝馬神社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/11 07:44 UTC 版)
境内南東に「勝馬神社」がある。祭神は不詳である。 古名を「馬櫪社」といい、独自の古い由緒を持つ。「馬櫪(ばれき)」は馬屋の根太(床板を受ける横木)の意で、転じて飼い葉桶、または馬屋そのものを指す。「馬櫪神」は馬の守護神で「うまやの神(厩神)」ともいい、各地の民俗信仰となっている。 平安時代、美浦村信太に常陸国諸国牧(兵部省管轄の牧場)の信太馬牧(『延喜式』に記載がある)があり、そこで馬体守護のため貞観4年(862年)に創祀された。平安時代末期に馬牧が廃絶すると、稲敷市幸田を経て、鎌倉時代に大杉神社境内に遷座した。かつては安穏寺裏(奥山)に競馬場があり、昭和初期まで奉納競馬が行われていたが、その馬場を見渡す地に石祠として祀られていたという。農耕馬の消滅とともに忘れ去られたが、平成14年(2002年)に現地に社殿が造立され、遷座した。 現在は、往古の信太馬牧の地にある日本中央競馬会(JRA)美浦トレーニングセンターの関係者が、本社と並んで一年の祈願に訪れる。競馬ファンにも知られている。ちなみに現在、大杉神社祭礼に選ばれる神馬は、農家に馬がいなくなったため美浦トレーニングセンターから借りている。社前には多数の蹄鉄が奉納されており、「勝ち馬守り」「馬蹄絵馬」「たてがみ御守」といった珍しい御守もある。
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