動力・機動性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 05:33 UTC 版)
エンジンには三菱10ZG32WT水冷2ストロークV型10気筒ターボチャージド・ディーゼルエンジン、変速機には三菱MT1500オートマチックトランスミッション(前進4段 後進2段)が採用されている。これらはパワーパック化され、土浦駐屯地での公開実演では20分以内での交換が実施されている。 1972年に技術研究本部で10ZG32WTの原型となる単筒型の実機の試作が行われ、1977年-1978年にかけて10ZG32WTの8気筒型である8ZG(シリンダー内径135mm行径150mm)の試作が行われた。1978年-1979年にかけて所内試験が行われ、最大出力1,196ps/2,600rpm を達成した。これらの研究成果を元に1982年に1,500psを達成した10ZG32WTが完成した。 10ZG32WTは1,500ps級ディーゼルエンジンとしては排気量21,500ccと小型で、また、耐久性に関しても15分間における定格最大出力1,500psを達成しており、諸外国のディーゼルエンジンとの比較においても10ZG32WTは過酷な高出力下での高い耐久性を達成している。 90式戦車の加速性能0-200mまで20秒という数値であるが、諸外国の第3世代戦車と同一条件で比較した場合、レオパルト2A4が推定23.5秒、M1エイブラムスの試作車XM1が推定29秒であることから、90式の加速性能は諸外国の第3世代戦車と比較して大幅に優れていると言える。 制動能力も高く、全制動時では時速50キロの速度から2メートル以内で停止可能である。配備当初は不用意に制動を行った際に上半身を車外に出していた車長が胸部を打撲したこともあり「殺人ブレーキ」などと呼ばれていた。
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