劣勢と新聞広告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 03:46 UTC 版)
VHS陣営の積極的なOEM供給、精力的なソフトウエアビジネスも行ったことで、ベータ陣営は販売こそ先行したものの徐々に劣勢となっていき、陣営内でもVHS機器を併売する企業が出るなど足並みが崩れていった。また、ソニーは機器のOEM供給を申し入れた一部企業に対して「ソニーはOEM供給をしない方針」を示しており、自らベータ市場拡大を停滞させるジレンマに陥った。ベータ陣営は効果的な対応策が打てず、VHSに鞍替えする企業も多数出たことで勢力は低下の一途をたどり、VHS陣営の勝利が決定的になった1984年、ソニーはイラストにサトウサンペイを起用して「ベータマックスはなくなるの?」「ベータマックスを買うと損するの?」「ベータマックスはこれからどうなるの?」という奇抜な見出しの新聞広告を1月25日から4日間連続で行った。4日間全ての紙面には「これからもベータマックス(この部分はロゴ入り)。ビデオはソニー。」と大きく書かれ、それぞれの紙面には同時に「答えは、もちろん「ノー」。」「もちろん発展し続けます。」というコピーが入り、最終日には「ますます面白くなるベータマックス!」と締めくくり当時の新製品を告知する逆説的アプローチだったのだが、消費者には広告の意図がうまく理解されず、これを機にベータ離れが加速されたことはソニーも認めるところである。
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