劣化とページづけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/23 20:46 UTC 版)
「ドレスデン絵文書」の記事における「劣化とページづけ」の解説
イタリアの芸術家で銅版技術者のアゴスティーノ・アリオは、キングズボロー卿の1831年の著書『メキシコの古物』のために絵文書の複製を作成した。その後絵文書は取扱いや日光・湿気のために劣化した。第二次世界大戦中のドレスデン爆撃では絵文書を保存していた地下室が洪水になり、大きな被害を被った。ドイツの歴史学者J・ツィマーマンによれば、とくに2・4・24・28・34・38・71・72において被害が甚だしい。これによっていくつかの文字は読めなくなってしまった。現在の絵文書をキングズボロー卿やフェルステマンの複製と比較するとこのことは明らかである。 現在のページ番号は1825-1826年にアゴスティーノ・アリオが複製を作成するときにつけられた。アリオは絵文書を2つの部分に分け、それぞれに絵文書A・絵文書Bと名付けた上で、Aの表・Aの裏・Bの表・Bの裏の順に番号を振った。今日、歴史学者のヘルムート・デッカートやフェルディナント・アンダースらは絵文書が実際にはまず表を全部読んで、それから裏に移るべきだと考えている。つまり、ページ1-24→46-74→25-45の順に読まれる。エルンスト・フェルステマンは絵文書解読中にアリオのページ番号の誤りに気付き、p.1とp.45、p.2とp.44の番号を修正した。1945年のドレスデン爆撃による水害のために絵文書を乾かしてガラス棚に戻すときにさらにページ順が変わり、現在ではp.6とp.40、p.7とp.39、p.8とp.38が逆になっている。
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