加糖れん乳にまつわる話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 01:45 UTC 版)
脱脂乳を使った加糖脱脂れん乳も製造されている。 加糖れん乳にカルシウムを加えて薄く板状に固形化した菓子があり、「ミルクケーキ」という商品名をつけられている事が多い。 ミルクジャムという名称の商品もあるが、多くは糖分によって少しキャラメル風味を持たせた加糖れん乳である。 加糖れん乳の缶詰を数時間茹でることで糖分がメイラード反応を起こしドゥルセ・デ・レチェとなる。中南米でよく作られる。 アイスクリームのブランド「レディーボーデン」(2018年現在、日本ではロッテが生産・販売している)の名は、加糖れん乳を工業化したゲイル・ボーデンに由来する。もともとは米国のボーデン社の商標で、ボーデン社はゲイル・ボーデンが興した企業をルーツとする。 日本の乳業史においても、加糖れん乳の生産は大きな役割を果たした。牛乳を保存のきく商品にする加糖れん乳の生産は、産業化・企業化の出発点となったためである。森永乳業は「日本煉乳」として創立された企業で、昭和戦前期には「森永煉乳」と称していた。また、明治乳業(現・明治)のルーツも「房総煉乳」や「極東煉乳」といった企業に求められる。 沖縄県では「ワシミルク」ともいわれる。これは米軍統治時代から親しまれてきたイーグルブランド(Eagle Brand、ゲイル・ボーデンが創始したブランド)の缶デザインに由来する。 第二次世界大戦中の日本では、天皇・皇后から救護施設や託児所等への下賜品に加糖練乳が用いられることがあった(1942年8月8日)。
※この「加糖れん乳にまつわる話」の解説は、「加糖練乳」の解説の一部です。
「加糖れん乳にまつわる話」を含む「加糖練乳」の記事については、「加糖練乳」の概要を参照ください。
- 加糖れん乳にまつわる話のページへのリンク