創建者 Founding Father (1965) 別題「入植者」
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5人の銀河系探検隊員の乗った宇宙船が、複数の不運な事故に連続して見舞われ、名もついていない惑星に不時着した。宇宙船の船体は無事だったが、エンジンは故障し無線機の回路は焼き切れてしまった。もう離陸することも、救難信号を発することもできない。救助される可能性はゼロに等しい。この惑星の大気は、きわめて珍しい「窒素 - 二酸化炭素 - アンモニア型」だった。彼らは船体を地下に埋めて基地にした。アンモニアの大気を変えるため、地球から持ってきた植物の種を蒔いたが、土壌に含まれるアンモニアのために枯れてしまった。そしてこの惑星の時間で5年、地球歴では6年強の年月が過ぎた。 そのあいだも男たちは、できるだけのことをした。土壌を焼いてアンモニア塩分を除去したものに種を蒔いたが、貧弱にしか育たなかった。新芽にドームをかぶせて、アンモニアの無い空気を送ってもダメだった。土壌の化学的組成を、いろいろと変えてみても効果はなかった。長期間にわたるアンモニア摂取により、男たちは衰弱していった。いまや3人が昏睡状態、1人は寝込んでおり、1人だけが自分の足で立っている。4人が死んだとき、最後まで残った男は、彼らの死体を土に埋め、その上に種を蒔いた。やがて最後の男も自分の死期をさとり、地上に出て菜園の前にひざまずいた。地球の植物は緑色をして、まだ生き延びていた。地球人の死体から栄養分が供給され、酸素を出すようになった植物は、周りのアンモニアを追い払っていたのだ。長い年月のうちに、それらは成長し繁殖するだろう。惑星全体が、男たちの記念碑となるのだ。
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