前山の道教寺院群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 08:56 UTC 版)
青城山は中国を代表する道教の名山で、道教発祥の地のひとつである。伝説によれば、道教の創始者で五斗米道の創始者でもある張陵(張道陵、祖天師)は晩年青城山に入り、この地に伝わる「黄老学説」を学んで道を開き、この地で123歳で没したとされる。青城山は道教の一派の天師道の発祥の地として神聖化され、歴代の張天師たちは全国から青城山に訪れ祖天師に朝拝した。 青城山の岩山や密林の中には多数の道宮や道観(道教寺院)がある(青城山常道観)。山の入口には唐代(724年)に創建された大きな道宮の建福宮が建ち、山門や三つの殿堂(三殿)、庭院などがある。山林の中に造られた階段を登ると、円明宮・玉清宮・上清宮などの道観があり、これらにもそれぞれ三殿や庭院がある。奥には、断崖の下に木造建築が張り付いた朝陽洞、晋代に建てられた祖師殿(真武宮)などさらに多数の建築があり、大勢の道士が修行を行っている。 天師洞は三清殿・三皇殿・黄帝祠などの楼閣からなる青城山の核心となる道観で、黄帝祠のそばには張陵が修行・説法したという洞窟が残る。 これらの道観を経て「青城第一峰」と呼ばれる彭祖峰の山頂に至ると、「老君騎青牛」像の納められた老君閣が建つ。 各道宮・道観には壁画や浮彫などの美術品がある。また様々な長寿薬や丹薬の研究(錬丹術)の副産物として火薬や漢方薬が見出され後世に伝わり、道教音楽も伝えられた。
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