分類による学名表記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:48 UTC 版)
詳細は「サクラ#サクラ属(狭義のサクラ属)とスモモ属(広義のサクラ属)」を参照 ソメイヨシノに限らず、サクラの属名はスモモ属(Prunus)とする分類と、サクラ属(Cerasus)とするものがある。日本ではスモモ属(Prunus)のサクラ亜属 (subg. Cerasus) とするものが多かったが、1992年の大場秀章の論文をきっかけに近年は後者のサクラ属(Cerasus)が主流となっており、ロシアと中国も同様である。しかしCerasusとすることで決着した訳ではなく、西欧と北米では現在もPrunusに分類するのが主流であり、両方の分類が並存している。 栽培品種であるソメイヨシノの学名が栽培品種名の‘Somei-yoshino’の表記が無しで、単にC.(もしくは P.)× yedoensisと表記されることがある。しかしC.(もしくは P.)× yedoensisは、エドヒガンとオオシマザクラという違う分類学上の種が交わった種間雑種のサクラの全てを表す表記である(×は雑種を表す符号)。ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種が交雑して生まれたサクラの中から特徴のある特定の一本を選び抜いて接ぎ木で増やしていったクローンの栽培品種であるので、この2種による種間雑種の全てのサクラと区別するために、C.(もしくは P.)× yedoensisの後ろにシングルクォーテーションで囲った栽培品種名を表記しなければならず、正しい表記はC.(もしくは P.) × yedoensis ‘Somei-yoshino’である。同様にこの2種の種間雑種から作出された栽培品種であるアメリカ(米国名:Akebono)はC.(もしくは P.) × yedoensis ‘Akebono’と表記される。 またソメイヨシノは、エドヒガンとオオシマザクラの種間雑種を代表する栽培品種であるため、この2種による種間雑種の全てのサクラを表す学名C.(もしくは P.)× yedoensisを日本語で一言で表したい場合にも、カタカナで ソメイヨシノ と便宜的に表記される場合がある。ただしその場合には、この2種による種間雑種の全てのサクラと混同されないように、本ページの主題である栽培品種のソメイヨシノ(C.(もしくは P.)× yedoensis ‘Somei-yoshino’)については、漢字をシングルクォーテーションで囲んだ ’染井吉野’ と表記されることが望ましい。
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