出自の異説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 00:37 UTC 版)
ヘロデはイドマヤ(エドム)系という説が主流だが、異説としてヨセフスの『ユダヤ古代誌』第XIV巻1章3節で「(ヘロデにつかえていた)ダマスコのニコラウスは『バビロンから帰還したユダヤ人指導者の一人がヘロデの先祖』と書き残している」という旨の記述があり、また2世紀のキリスト教神学者である殉教者ユスティノスは「ヘロデはアスカロン人として生まれた」という発言をしており、この見解の流れを組むユリウス・アフリカヌスの著作では「父のアンティパテル(アンティパトロス)はアスカロンが襲撃された際にイドマヤ人に拉致され、イドマヤで育った人間」という説を上げている。ただし、前者は他の資料と矛盾も多いうえヨセフス自身が「ニコラウスのヘロデへのお世辞」としており、後者もアフリカヌスがアンティパテルの生まれを「貧しい出自」と強調しているなど悪意と敵意が強いことから「ヘロデをよく思わなかった人の作りごとの疑いが強い」とエミール・シューラーは指摘している。
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