出版社にとっての売上スリップの役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 23:39 UTC 版)
「売上スリップ」の記事における「出版社にとっての売上スリップの役割」の解説
総額・税率表示の役割:近年では出版社は、定価(税込)の総額表示と消費税率表示の役割をスリップに担わせるようになってきている。消費税率が変動した場合、総額表示、消費税率表示をカバーや帯で対応するとコストがかかるためである。本来ならば、総額表示は、書籍本体か帯に明記するものと考えられるが、通常、カバーには、本体価格に「税別」と表示するのみにしている。カバーや帯に総額表示と消費税率表示が印刷されている場合、消費税率が変動した際に、新たに刷り直したものを掛けなおしたり、価格シールを貼ったりする手間と費用がかかる。スリップには、両面に定価(税込)の総額表示と税率、本体価格を表記するようにしている。また、丸い切り込みの部分(ぼうずなどといわれる)に税込価格(総額表示)と消費税率を表示する。この部分が飛び出しているために、消費者に見えるという建前である。スリップの価格は、1枚につき数円程度で装着の費用を加えても約10円[要出典]で、帯やカバーの差し替え単価に比べて安く、挿入作業に専門的な技術も不要のため、手のあいている社員やアルバイトなどがこの作業を担当し、費用を抑えることができる。 書店・取次へのメッセージ:用紙の色によって書店・取次へのメッセージを伝えているとされる。スリップの色の定義は諸説あるが、小学館は、返品不可の責任販売制は「赤色」、通常の返品可能の委託販売制は「青色」とスリップを使いわけている。「緑色」は常時、返品可能とされる。
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