出版社による編曲
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「セカンド・ラプソディ」の記事における「出版社による編曲」の解説
現在最も一般的に耳にする版は、作曲者の死後14年経ってからロバート・マクブライドがオーケストレーションを施しなおした版である。ガーシュウィン作品を出版していたニュー・ワールド・ミュージック社の音楽編集者であったフランク・キャンベル=ワトソンが、マクブライドに作品をすっかり編曲しなおすように命じた結果できあがった。この版が唯一出版社から販売されたものであるため、現在はガーシュウィンが思い描いた通りに本作をオーケストラで演奏することはほぼ不可能となっている。しかし、1931年にガーシュウィンがピアノを弾いてオーケストラを指揮した通し稽古の録音から、原曲に関する知見を得ることができる。 ガーシュウィンのオーケストレーションは大抵非常に簡素である。弦楽器による多くのパッセージは他の楽器に割り振られ、もともと単独の楽器で演奏していたパッセージに別の楽器も合わせて同時に演奏させるようにされた。さらに、作曲者が削除した8小節が編集者による再現版に付け加えられた。 マイケル・ティルソン・トーマスはガーシュウィンの1931年原典版を普及させている。彼は図書館から原典版の手稿譜を探し出して1985年に行った録音の根拠資料としており、それ以降の演奏でもその版を使用している。ガーシュウィンのスペシャリストであるジャック・ギボンズは、2008年に作曲者自身の原稿に直接あたって彼自身による1931年版の再現譜を作成、同年6月4日にロンドンのカドガン・ホールでロナルド・コープの指揮、ニュー・ロンドン管弦楽団の演奏で初演している。ガーシュウィンがもともと余分につけていたピアノのカデンツァを含む原典版も、2013年5月7日にニューヨークのカーネギー・ホールでオールバニ交響楽団の演奏、ケヴィン・コールの独奏で演奏されている。
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