出版社による授業書盗用事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:23 UTC 版)
「授業書」の記事における「出版社による授業書盗用事件」の解説
学習研究社(学研)は1977年10月号の『5年の学習』の誌面で仮説実験授業の授業書の問題を盗用し、同社の『新しい理科指導法の創造』(1977年10月18日発行)の中で授業書「ものとその重さ」の全文と、『仮説実験授業研究入門』(明治図書)に載っていた小野田三男の授業記録をほとんどそのまま盗用した。板倉はそれを重く見て、訴訟に踏み切って学習研究社を著作権侵害で訴えた この事件で、「教育研究の分野では自然科学研究のようなプライオリティーや著作権を尊重するという習慣が確立していない」ことを板倉は指摘している。学習研究社の盗用は、記事の著者が出典を全く明らかにしていないことも問題とされた。板倉は「この事件に限らず日本の教育界では盗用・盗作が日常化されているとも言える」と指摘した。 学習研究社は板倉の提出した陳述書に対して「著作権侵害の事実を認めない」という答弁書を提出した。板倉は再度陳述書を出して反論した。訴訟は1979年12月5日に東京地方裁判所で出された仲裁を学習研究社が受け入れ、200万円の賠償金を支払うこととなった。板倉らはこの賠償金を元に「仮説会館」を設立した。
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