内書とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 様子 > 形式 > 内書の意味・解説 

ない‐しょ【内書】

読み方:ないしょ

内密書状

執事奉行などの手通さずに、主君直接に出す書状将軍の出すものは特に御内書よばれた直書(じきしょ)。


御内書

(内書 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/07 18:21 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
足利義昭御内書/大阪城天守閣蔵

御内書(ごないしょ)は、室町幕府将軍が発給した私的な書状の形式を取った公文書

概要

室町期に足利将軍家によって創始され、形式そのものは差出人が文面に表記される私信と同じものであるが、将軍自身による花押・署判(署名捺印)が加えられており、将軍個人の私的性の強い命令書でありながら、御教書に準じるものとして幕府の公式な命令書と同様の法的効力があった。

主に、将軍の私的な用向を伝える書状として機能していたが、室町時代後半になると管領などが発給する御教書が減少するかわりに御内書が増大し、将軍の意思を直接通達する書状として公文書化した。なお、通常は側近である侍臣による副状が添付されるのが慣例であった。文型としては宛所(宛先)と書止めがそれぞれ「某とのへ・也」とより丁寧な表現の「某殿・也、状如件」の2形式が存在し、宛所の身分や社会的地位で使い分けていた。

五山住持の任命状である公帖は御教書あるいは御内書として発給されている他、天正4年(1576年)に毛利輝元のもとに亡命していた将軍・足利義昭反信長勢力迎合のため、甲相越一和を試みた際の命令書もこの御内書形式によっていたとされている。

御内書は、豊臣政権では豊臣秀吉の、江戸幕府も将軍の意思を伝達する文書として、継承された[1]

近世には豊臣家や徳川将軍家が発給し、徳川家は端午の節句重陽の節句歳暮の三季祝儀に際した進物の返礼として発給した。徳川家の御内書は豊臣秀吉発給の形式を踏襲し、時代により料紙や書式は変化しつつ江戸後期に到るまで発給された。

御内書の発給は江戸時代初頭には旗本に対しても発給されていたが、書札礼・礼法の確立に伴い、御内書は家格の高い将軍家一門から御三家とその連枝、国持大名、老中若年寄本願寺などに限られて発給されるようになり、格式によって発給手続きや返礼に格差があった。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 三浦周行『歴史と人物』(1990)吉川真司による注

参考文献


「内書」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



内書と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「内書」の関連用語

内書のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



内書のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの御内書 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS