兵器産業における戦車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 06:48 UTC 版)
戦車を含め殆どの兵器は開発・製造に高度な専門技術と産業基盤が要求される工業製品である。そのため殆どの国は戦車を輸入に頼っており、ロシア、ドイツ、アメリカ等の戦車を開発できる国は戦車の輸出によって経済的利益や量産効果による調達価格の低減と共に、軍事・政治的影響力の確保を図ろうとする。中国はロシア設計を改変した車輌を輸出している。 先進国では最新鋭の第3.5世代戦車が主流だが、途上国に限らずロシアやイスラエル等であっても旧式戦車に近代化改修を施して配備されていることがある。近代化改修では車体はそのままに主砲の滑空砲への改良、より高性能なレーザー式照準装置や通信装置、外部に爆発反応装甲の追加、より高馬力なエンジンへの換装などの手法が用いられ、外見が大きく変化することもある。旧式化した戦車を自走砲や回収戦車、架橋車両などに改装する例がある他、砲塔のみを他の車両やトーチカに転用される場合もある。 冷戦期には、世界中の国々が陸上戦闘での主戦力となる戦車を多く保有していたが、冷戦終結後は脅威の減少に伴う軍事費の削減によって、多くの国では戦車保有数が減少し100輌単位での保有となったが、米中露をはじめとする超大国では1,000輌単位の保有となっている。中でもロシアは依然として1万両を超える戦車を持つとされているが、実際には稼働可能な戦車は数千両に限られ、またT-62やT72の近代化改修車もかなりを占めると言われる。
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