兵器産業としての特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 03:46 UTC 版)
軍需産業の中でも製品としての兵器を開発し生産する産業では、他の産業に比べて以下の点で特徴がある。 顧客は独占需要家:軍需産業は政府以外に顧客を持たず、外国政府への販売であっても政府が仲介を行なう。 寡占市場:特定の兵器を生産できるのは1社か又はごく少数の数社のみである。 性能・機能優先:兵器の取得価格は2次的な要素であり、性能・機能が優先される。 競争は初期のみ:政府から兵器開発の委託契約を受けるまでが、他社との本当の競争であり、一度、兵器開発プロジェクト契約を勝ち取れば、それ以降の継続的な開発契約や実証テスト契約、少量生産契約、量産契約、保守と保守部品供給、設計変更などの長期に渡る受注が期待出来ることが多く、少なくとも他社との競争では圧倒的に優位に立てる。 少数の計画:兵器は細かな用途別で多様な兵器が個別開発される傾向が少なくなり、同一の用途は1種類の兵器で賄われ用途別の兵器もできるだけファミリー化によって新たな兵器の開発を減らし、出来るだけ一元化されるようになっている。これは兵器の開発と生産を行なう企業にとっては、ある分野での兵器市場を10年以上に渡って100%独占できるか、0%になるかといった両極端な状況を生み、開発と生産の為の企業資産を長期に渡って平均的・安定的に保有することを難しくしている。 保護:企業倒産による兵器技術の国外散逸や不法組織への流出を避けるために、政府は経営の思わしくない兵器企業に各種の経済的な支援を行なう。 政府規制:政府の規制が多い。 遅延と追加予算:開発契約は遅延され、その上、追加予算が求められることが多いが、政府はこれを受容することが多い。
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