共通ポイントカード

産業・環境キーワード

共通ポイントカード

　３月１日、新しい「共通ポイントカード」が誕生しました。三菱商事系の共通ポイントサービス「Ｐｏｎｔａ（ポンタ）」で、コンビニエンスストアやＤＶＤレンタル店、ガソリンスタンドなどの参加企業が全国の店舗でポイント付与・還元サービスを始めました。
　共通ポイントカードは、個々の企業や店舗が独自に発行する従来のポイントカードとは異なり、共通ポイントサービスに加盟する複数の企業・店舗で使えるのが特徴。消費者は、購入額１００円につき１ポイントが付与され、１ポイント当たり１円で還元できるのが一般的です（ポイントの付与率や還元率は企業・店舗によって異なります）。
　現在、国内最大手はＤＶＤレンタルのＴＳＵＴＡＹＡ（ツタヤ）を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ（ＣＣＣ）が２００３年から本格的に始めた「Ｔポイント」。ＴＳＵＴＡＹＡをはじめコンビニのファミリーマートやスリーエフ、ガソリンスタンドの「ＥＮＥＯＳ」（新日本石油）、古書販売のブックオフのほか、ロッテリア、牛角、ドトールコーヒー、東急ホテルズなど、全国６７社３万０６０９店舗で利用でき、会員数は３４２０万人（２０１０年１月末時点）にのぼります。
　一方、「Ｐｏｎｔａ」は、加盟するコンビニのローソン、ＤＶＤレンタルのゲオなどの既存ポイントカード会員が移行することで、会員規模約２０００万人でサービスを始めました。昭和シェル石油のガソリンスタンドや日本ケンタッキー・フライド・チキン（現在、千葉県のみ）、サカイ引越センターなど全国１１社１万１９００店舗（３月１日時点）で利用できます。
　Ｐｏｎｔａは三菱商事の持つたくさんの取引企業を会員企業に取り込むことで、今後、消費者の利便性が高まることが見込まれますし、Ｔポイントも加盟企業拡大に取り組んでおり、３月末からは２０歳前後の若者に人気の衣料販売店を展開するポイント（東京都中央区）が新たにサービスを始めます。
　共通ポイントカードは、財布の中に何枚もカードを入れる必要がないこと、１枚でたくさんの店舗でポイントを貯めて、還元できること、加盟企業の業種が多岐にわたり利用者のあらゆる生活シーンに対応可能なことなどから、これからも会員数の拡大が見込まれています。野村総合研究所の昨年の調査によると、２０１０年度のポイント発行額は８０６１億円（１ポイント１円換算）と、初めて８０００億円の大台に乗せるものとみられています。

（掲載日：2010/03/16）